Google Cloud Platform Japan 公式ブログ: GCP NEXT 2016 : 最先端の機械学習サービス Cloud Machine Learning を発表

GCP NEXT 2016 : 最先端の機械学習サービス Cloud Machine Learning を発表

2016年3月24日木曜日

* この投稿は米国時間 3 月 23 日、Product Management の Director である Fausto Ibarra によって投稿されたもの（投稿はこちら）の抄訳です。

GCP NEXT 2016 －数百種ものビッグデータ、アナリティクス製品、そしてサービスが皆さんの注目を獲得しようとしのぎを削っていますが、それはこうした領域が業界で最も“肥沃な領土”の 1 つだからです。素晴らしいコンシューマーエクスペリエンスは情報の洞察から生み出されるので、そうした競争も不思議なことではないでしょう。
この領域については、Google Cloud Platform がほぼ 20 年にわたって技術力を注いできました。そしてこのたび、私たち Google は GCP NEXT において最新の成果を発表しました。
私たちのデータ管理やアナリティクス製品ポートフォリオの上に、さまざまな重要分野のための新製品や新サービスを加えていくことで、イノベーションが新たな段階へと進むことになります。

機械学習 Google は、周囲の世界を見聞きして理解できるアプリケーションの開発という大きな目標に向かって進んでいます。GCP NEXT で私たちは Cloud Machine Learning という新しい製品ファミリを発表して、この目標に近づく大きな一歩を踏み出します。
Cloud Machine Learning は、機械学習をメインストリームへと押し上げ、まったく新しいタイプのインテリジェントなアプリケーションを作る手段をデータサイエンティストやデベロッパーに提供します。
Cloud Machine Learning を使用すれば、Google Now、Google Photos、Google検索の音声認識を実現しているのと同じ技術に対して、REST APIと同じくらい簡単にアクセスできます。オープンソースの TensorFlow 機械学習ライブラリを使って、手持ちのデータの上に強力な機械学習モデルを構築できるようになります。

Cloud Machine Learning は、短時間のうちに大規模で洗練された機械学習モデルを簡単に構築できるようにする、ポータブルでフルマネージドのスケーラブルな製品です。さまざまなフォーマットのデータを操作することができ、Google Cloud Dataflow、Google BigQuery、Google Cloud Dataproc、Google Cloud Storage、Google Cloud Datalab など、Cloud Platform の他製品と密接に統合されます。

たとえば、手持ちの訓練データを使って、回帰モデルで値を予測する金融サービスアプリケーションや、イメージの分類サービスなどの予測アナリティクスモデルを簡単に作ることが可能です。

データのインジェストから予測に至るまでのあらゆる側面を Cloud Machine Learning がサポートします。その結果、どんなアプリケーションであっても、多くの Google サービスを支えているのと同じディープラーニングのテクニックを利用できるようになります。

プレトレーニング済み機械学習モデルの Google Translate API、Cloud Vision API などが、Google Cloud Speech API によって 1 つになります。私たち Google は、皆さんのアプリケーションが見聞きして翻訳するのを支援する完全な API を揃えることができて、とてもうれしく思います。

Cloud Speech API は、Google アプリの音声検索、Google Keyboard の音声入力を支えているのと同じ高度なニューラルネットワークテクノロジーをもたらします。80 種以上の言語を比類のない精度で音声認識し、特にノイズの多い環境に強く、きわめて高速です。

Chrome や Android に音声認識機能を追加するために使われたテクノロジーが、あらゆるアプリケーションにおいて、リアルタイムストリーミングかバッチモードで利用できるようになるのです。

ビッグデータとアナリティクスクラウドでビッグデータを操作すれば、インフラストラクチャについて考慮せずに済み、アプリケーション構築の生産性が上がります。その結果、アプリケーションはより速く、より優れた洞察を得られるものになります。
この特長をさらに進化させるため、Google は最近 Apache Hadoop と Apache Spark のマネージドサービスである Cloud Dataproc の一般公開を発表しました。今回はさらに新しいサービスと機能を追加します。

BigQuery は、フルマネージドのアナリティクスデータウェアハウスが持つ意味を進化させ続けています。Google は今回、アナリティクスを迅速かつ低コストで進められ、使いやすいものに変える素晴らしい新機能を多数発表します。

Long Term Storage は 90 日後に自動的にストレージの価格を 50 % に値下げ。
Automatic Table Partitions （近日公開）は、テーブルを日付ごとにパーティション化し、日付の範囲でクエリを実行できるようにして、データの格納とクエリを単純化。
新しい Capacitor storage engine はクエリを最大で 10 倍に高速化し、新メカニズムの Poseidon はデータのインジェスト、エクスポートのスピードを最大で 5 倍に高速化。
Apache AVRO ファイルの直接クエリとインポート、データの相互運用性を簡素化。
JSON、CSV ファイルから自動的にスキーマを検出。
新しい Public Datasets Program は、コミュニティが公開データセットをホスティング、共有、分析するのを支援。

これらの機能は、すべてアップグレードやダウンロードをすることなく、自動的に魔法のように使えるようになります。フルマネージドとはそういう意味です。

Google は最近、すべてのアナリティクスのワークフローを 1 つのツールに束ねる、新しいレポートおよびデータビジュアライゼーション製品の Google Data Studio 360 を発表しました。

Data Studio を使用すれば、Google Analytics、BigQuery、Google Sheets といった複数の異なるソースで作られたデータセットにアクセスし、データセットを変換および共有できます。そして、これらの異なるソースのデータを同じレポートにビジュアライズし、コラボレーションによって美しく柔軟性の高いレポートを作ることができます。

なお、Data Studio は Google Analytics Premium をご利用のお客様を対象に、プライベートベータで（つまり限定で）提供されます。

オープンソース Cloud Machine Learning は、Google が誇る最先端の機械学習とデータ処理テクノロジーを活用したものですが、このテクノロジーの一部は最近オープンソース化されています。

TensorFlow は Google の最新の機械学習システムであり、現在 GitHub でナンバー 1 の機械学習プロジェクトになっています。Google では、このエコシステムの開発を継続して行っています。

たとえば最近では、TensorFlow Serving と、Google のもう 1 つのオープンソースプロジェクトである Kubernetes を併用して、MLモデルをスケーリングおよびサービスできるようになりました。Cloud Machine Learning 製品はこの機能を拡張するので、Cloud Platform 上のデータを使って強力な機械学習モデルを作ることが可能です。

Google は今年始めに、data Artisans、Cloudera、Talend などの企業と共同で、Apache Incubator に Dataflow モデル、SDK、runner を提案しました。

Apache Beam という名前で知られる、この新しいインキュベーションプロジェクトは、ストリーミングモデルでもバッチモデルでも実行できる、ポータブルで強力かつ単純なデータ処理パイプラインを定義できるようにします。

Cloud Platform チームにとって、2016 年はとてもエキサイティングな年です。Spotify、Atomic Fiction、Khan Academy といった世界でも指折りのブランドが Google のビッグデータサービスを使っています。
私たち Google は、これらの新製品がイノベーティブに活用されていくことを期待しています。まずは cloud.google.com にお越しください。

- Posted by Fausto Ibarra, Director, Product Management