※この投稿は米国時間 2018 年 9 月 20 日に Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

私たち Google はコードを用いた作業に毎日多くの時間を費やしています。会社が成長し、コード ベースが複雑さを増す中で、Google のエンジニアたちは、開発者を満足させながら彼らの日々の生産性を高める一連のコード ツールを構築してきました。なかでも、Google のエンジニアが愛用しているコード検索は特に重要で、ほとんどのエンジニアは生産性を高めるためにコード検索を毎日何度も使用しています。

このたび、新たに改良が施された Cloud Source Repositories のベータ版において、まったく新しいユーザー インターフェースとセマンティック検索を備えたコード検索機能を皆さんにお届けできることを私たちはうれしく思います。Cloud Source Repositories は、Google のエンジニアがコード検索に使っているのと同じインフラストラクチャを採用しています。これを利用すれば、きわめて高速に結果が得られ、見覚えのあるコードの検索に要する時間を大幅に節約できます。Cloud Source Repositories のコード検索機能は、Google 検索に使われているのと同じ文書インデクシングと検索テクノロジーを利用しており、非常に高速に動作します。Cloud Source Repositories にコードをホスティングしている場合や、GitHub や Bitbucket のクラウド バージョンからコードをミラーリングしている場合でも、このコード検索を使用すれば開発者の生産性を向上させることができます。

より良い開発作業のための高速なコード検索

開発者でもある私たちは、いかにコード検索が頻繁に必要になるかを知っています。開発者を対象にしたあるケース スタディによると、プログラマーは毎日平均で 12 個の検索クエリを使用し、5 回の検索セッションを開いています。過去の報告と比べると、コード検索は以前よりもずっと広く行われていることがわかります。

こうした検索クエリは特定のコード位置を対象としていることが多く、プログラマーは通常、自分がある程度知っているコードを探します。プログラマーは一般に、次のような問いに対する答えを探しています。

  • コードがをしているか
  • コードがどこで使われているか
  • コードがある特定の形で動作しているのはなぜ
  • 編集の責任者はいつ編集が行われたか
  • どのようにしてタスクをこなすか

コード検索には誰もが経験したことのある共通の問題があります。ここでは、そうした問題の中からいくつかを挙げ、Cloud Source Repositories がそれらをどのように処理しているのかを見ていきましょう。

  • 会社にあるすべてのコードを検索したいのに、少量のコードを格納したリポジトリがローカルにたくさん存在し、それらがサーバー上の最新バージョンと同じではない場合 ―― コードはローカルに保存すべきではありませんし、手元のコンピュータの検索ツールもさほど強力ではないでしょう。Cloud Source Repositories を使用すれば、すべてのリポジトリのデフォルト ブランチが常にインデックス化され、最新の状態が保たれます。ローカルに格納されたコードを探し回るよりも、アクセス可能なすべてのコードから特定のファイル / クラス / 関数を検索したほうが、単純で高速です。

  • 社内の他の人間が担当しているのと同じ操作のコードを探すのに苦労している場合、Cloud Source Repositories ならそのコードをすばやく検索し、見つけることができます。同じ処理のコードを新たに作るよりも、既存のソリューションを再利用したほうが時間の節約になり、バグを持ち込むことも避けられます。メンテナンスが必要なコードを増やさないことは、コード ベースを健全な状態に保つことにもつながります。

  • イベント ハンドラのような頻繁に使用されるコード コンポーネントの正しい使い方を覚えていなくても、Cloud Source Repositories にクエリを入力して社内のすべてのコードを検索すれば、他の開発者によるイベント ハンドラの適切なコード例が見つかります。最初から正しくコードを書くことができるわけです。

  • 本番用アプリケーションの問題点を発見し、そのアプリケーションが “User ID 2503295 not found in PaymentDatabase”(PaymentDatabase で 2503295 というユーザー ID が見つかりません)というエラー メッセージをサーバー ログに書き込んでいることがわかったとしましょう。この場合、Cloud Source Repositories を使って “User ID .* not found in PaymentDatabase” という正規表現検索を実行すれば、このエラーが発生した個所を瞬時に見つけ出し、問題を解決して本番環境にデプロイできます。リッチな正規表現検索によって、用途、定義、サンプル コードを簡単に見つけることができ、リファクタリングなどに役立ちます。

すべてのコードをまとめて検索

Cloud Source Repositories への Google のコード検索機能の導入により、Google の検索テクノロジーが有するメリットをコード ベースの検索でも享受できるようになりました。

そうした重要なメリットの 1 つは、Cloud Source Repositories にミラーリングまたは追加されているリポジトリであれば、どれも一度にまとめて検索できることです。これは、小規模な週末プロジェクトの場合でも、あるいは Google と同じ規模のコード ベースの場合でも同じです。しかも高速です。従来の機能よりもずっと高速に答えが得られるため、すぐにコーディングに戻れます。さらにインデックス化も非常に高速なので、新しいコードが追加されてもすぐに検索に使えるようになります。常に最新のコードを検索できるのです。また、Cloud Source Repositories は IAM のアクセス権限に従うので、権限のないファイルのコードをユーザーが検索し参照してしまうこともありませんし、新たにアクセス権限を設定し直す必要もありません。

加えて、Cloud Source Repositories では数千ものリポジトリを 1 回のクエリで検索できます。リポジトリのデフォルト ブランチにあるファイルか、ファイル内のコードを検索可能です。また、Cloud Source Repositories はコードをセマンティックに理解しており、検索インデックスはコードのどの部分がクラス、関数、フィールドなどのエンティティであるかを識別します。検索インデックスではこれらが分類されているため、検索の対象をクラスもしくは関数だけに限定するフィルタをクエリに含めることができます。さらに、クラスや関数、フィールドといったコード内の重要な部分を上位にランク付けすることで、関連度に応じて検索結果を出力することも可能です。Cloud Source Repositories では RE2 正規表現を使った強力な検索パターンをデフォルトで使用できるので、非常に複雑な質問に対しても必要な回答が見つかります(バックスラッシュを置くか、文字列全体を引用符で囲めば、独自の特殊文字も扱えます)。

検索ボックスに文字を入力すると、検索結果の候補が表示されます(下図参照)。Java、JavaScript、Go、C++、Python、TypeScript、Proto のファイルの場合、一致するものがクラス、メソッド、列挙型、フィールドなどのエンティティであるかどうかも表示されます。


Cloud Source Repositories でのコード検索の詳細はこちらをご覧ください。

Google コード検索の仕組み

Cloud Source Repositories のコード検索には Google 検索と同じテクノロジーが使われていますが、インデックス化やアルゴリズム、結果のタイプなどはコード検索用に最適化されています。検索を実行すると、検索クエリはルート マシンに送られ、シャーディングされた数百のリーフ マシンで処理されます。ファイル名、クラス、関数、その他のシンボルでマッチするものを探し、シンボルのコンテキストやネームスペースで結果を絞り込みます。検索クエリに正規表現が含まれている場合、コード検索は、正規表現にマッチする可能性のあるものを高速に検索する最適化アルゴリズムを実行してから、完全な正規表現にマッチするものを絞り込み、実際にマッチするものを見つけます。そのため、複雑な正規表現の場合でも、完全にマッチするものが非常に高速に得られるのです。また、Google のコード検索では検索対象の周辺のスニペット(コード片)も併せて探し、追加のコンテキストとして提供します。

新しい Cloud Source Repositories を使うには

Cloud Source Repositories を使用したことがない方は、Google Cloud Platform(GCP)の無料トライアル豊富な無料枠を使って今すぐ試してみてください。Cloud Source Repositories のナビゲーションに沿って移動すると、コードの追加などをガイダンスするサインアップのページが表示され、空のリポジトリを新規に作成したり、GitHub や Bitbucket のクラウド バージョンからコードをミラーリングしたりすることができます。新しい空のリポジトリに対しては、ローカル マシンからコードをプッシュできるほか、Cloud Shell エディタを使用してブラウザから離れることなくコードを書けば簡単に追加できます。

すでにコードを Cloud Source Repositories に格納しているお客様の場合は、パーソナライズされた新しいランディング ページ(下図参照)が開き、お客様の GCP プロジェクトにおいてアクセス可能なすべてのリポジトリが表示されます。このランディング ページには、最近ブラウズしたコードやお気に入りのコード ベースの部分が、時間の経過とともに表示されるようになります。

Cloud Source Repositories にコードを格納し始めると、GCP の他のサービスも利用しやすくなります。よく使われる統合機能は次のとおりです。

  • コミットがブランチに組み込まれたときに新しいビルドを自動的に App Engine にデプロイするよう Cloud Build を設定(クイックスタートはこちら
  • Cloud Functions のバージョン管理を使用(クイックスタートはこちら
  • Cloud Source Repositories に格納されたアプリケーションの状態を Stackdriver Debugger でリアルタイムにチェック(クイックスタートはこちら
  • Cloud Pub/Subにコミット イベントを発行し、任意のサードパーティ ツールと統合(クイックスタートはこちら

ご意見をお寄せください

私たちは、開発者チームをサポートし、生産性を向上させるツールの提供に引き続き取り組んでいきます。新しい Cloud Source Repositories ベータ版をお試しいただき、製品内のフィードバック ツールを通じて皆さんの考えをお聞かせください。ご意見をお待ちしています。


※この投稿は米国時間 2018 年 9 月 19 日に Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

クラウド ネイティブ環境で継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI/CD)を実現するには、コンテナ イメージが安全であることや既知の重大な脆弱性がないことを確認したうえで、イメージをデプロイすることが重要です。そこで Google Cloud は本日、Container Registry の脆弱性スキャン機能をベータ リリースしました。この機能は、CI/CD プロセスの初期段階で既知のセキュリティ脆弱性を自動的に検出し、脆弱なコンテナ イメージのデプロイを防ぎます。

CI/CD パイプラインにいつ、どこで、どのようにセキュリティ機能を統合するかは非常に重要です。私たちは脆弱性スキャン機能の開発に着手する際、「セキュリティは CI/CD に最初から組み込む必要がある」という前提から出発しました。下流工程でセキュリティ問題の修正に費やす時間を減らし、リスクの度合いを下げるためです。さらに、セキュリティ制御は、アドホックな手動プロセスの一部としてではなく、自動的に行われる必要があります。またシステムは、DevSecOps チームが設定したポリシーに基づいて、脆弱なイメージを自動的にブロックできなければなりません。つまり、CI/CD セキュリティは、各 CI/CD パイプラインの一環として、イメージのスキャンから検証の強制までエンドツーエンドで確保する必要があります。

Cloud Build(Google Cloud のフルマネージド CI/CD プラットフォーム)を使って作成されたコンテナ イメージが Container Registry にプッシュされると、脆弱性スキャン機能により、OS パッケージの脆弱性が自動的にスキャンされます。コンテナを作成すると、潜在的な脅威に関するフィードバックが迅速に得られ、すぐに問題を特定できるのです。また、脆弱性スキャンは Binary Authorization と統合されています。コンテナ イメージのデプロイ時に実行される Binary Authorization は、人手を介さずに、信頼できるコンテナ イメージだけが Kubernetes Engine にデプロイされるようにします。



Container Registry の脆弱性スキャンをベータ リリースするにあたって、私たちは Container Registry の現行ユーザーにこの機能を試してもらい、意見を求めました。そうしたアーリー アダプターの 1 社が ThoughtWorks です。同社は、ソフトウェア設計およびデリバリ ソリューションを世界中のさまざまな業種の顧客に提供しているテクノロジー コンサルティング会社です。

ThoughtWorks は、脆弱性スキャンをすべてのアプリケーションプロジェクトのパイプラインに統合し、脆弱なコンポーネントを本番環境に移行しないようにしています。パイプラインで脆弱性が発見されると、脆弱性の詳細が自動的に開発者に報告されます。さらに、情報セキュリティ チームがレポートを作成し、セキュリティ問題を防ぐ方法のガイダンスを開発チームに提供します。

「Container Registry の脆弱性スキャンは優れたサービスです。ウェブ アプリケーション全体の保護に有意義な効果をもたらします。脆弱性スキャンにより、脆弱なコンポーネントを簡単にチェックし、それらが本番環境に配備されるのを阻止できます。」
- Philip Duldig 氏、ThoughtWorks のシニア セキュリティ アナリスト

CI/CD パイプラインにセキュリティ機能を組み込む

脆弱性スキャンを CI/CD パイプラインの他のコンポーネントと統合することで、既知の脆弱性を継続的に特定し、その情報を基にアクションをトリガーできます(たとえば、Cloud Pub/Sub と Cloud Functions を使用)。脆弱性スキャンは、サポートしているディストリビューションのセキュリティ データベースを継続的にモニタリングし、新しい、または更新された脆弱性データをチェックします。したがって、脆弱性スキャンとその結果には最新の情報が反映されています。さらに、脆弱性スキャンは以下のメリットも提供します。

CI/CD パイプライン内で強力なセキュリティ スキャンを実行 : 脆弱性スキャンは Cloud Build と統合されているため、Cloud Build がイメージを作成して Container Registry に保存すると、開発者はすぐにセキュリティの脅威を特定できます。この機能は、シンプルな API 呼び出し、gcloud コマンドライン、または Cloud Console UI で利用できます。

セキュリティ チェックを早期に実行 : Container Registry の脆弱性スキャンは、セキュリティ機能を CI/CD に最初から組み込みます。アプリケーション開発プロセスの中で、Ubuntu、Debian、Alpine のパッケージの脆弱性が特定されるのです。また、CentOS と RHEL のサポートも進められています。脆弱性スキャンは、コストが高くつく非効率性を回避し、脆弱性の修正に要する時間を短縮するのに役立ちます。

既存アーキテクチャへの統合 : Pub/Sub の通知と Cloud Functions を使って、Container Registry の脆弱性スキャンを既存の CI/CD ツールにプラグインできます。たとえば、脆弱性の発見をワークフローに組み込み、脆弱性が見つかったら自動的に問題を追跡するといったことが可能です。また将来的には、Container Registry の脆弱性スキャン結果を、他のセキュリティ ツール(Aqua や Twistlock のようなベンダーのツール)が発見した結果とともに、Cloud Security Command Center で確認できるようになります。

危険なコンテナ イメージをロックダウン : Binary Authorization とのネイティブな統合を利用して、ポリシーを定義し、それらのポリシーを満たさないイメージのデプロイを防止できます。コンテナ イメージの自動ロックダウンをトリガーし、危険なイメージが Kubernetes Engine にデプロイされないようにすることも可能です。

詳細なインサイトを提供 : Container Registry の脆弱性スキャンは、脆弱性の深刻度、CVSS スコア、パッケージ、修正プログラムの入手可否といった詳細なインサイトを提供します。脆弱性スキャンのフィルタリング メカニズムにより、パッチ適用の優先順位を決めたり、新しい脆弱性の影響を判断したりすることができます。また、脆弱性スキャンが完了して問題が発見されると、すぐに DevSecOps チームにスキャンの状態と結果が通知されます。

今すぐお試しを!

Container Registry の脆弱性スキャンは、CI/CD パイプラインのセキュリティを高めるうえで簡単な方法です。既存セキュリティ ベンダーのお気に入りの CI/CD ツールに簡単にプラグインできます。Container Registry の脆弱性スキャンについてもっと知りたい方は以下のリンク先をご覧ください。


Container Registry の脆弱性スキャンをぜひお試しください!

By Juan Sebastian Oviedo, Product Manager and Nikhil Kaul, Product Marketing Manager


Cloud OnAir は、Google Cloud の製品をわかりやすく解説し、最新の情報などをいち早く皆様にお伝えする Online 番組です。

今回は、9 月 19 日、20 日に東京で開催された「Google Cloud Next'18 in Tokyo」に設けられた特設スタジオより生放送でお送りしました。番組では、日本初開催となった「Cloud Hero」の上位入賞者をゲストスピーカーに迎えて、Cloud Hero の様子などを伺いました。



2 時間に渡る激戦を勝ち抜いた 3 名の GCP エキスパート

Cloud Hero は、GCP 製品を使って様々なクラウドベースのタスク完了を競う DevOps ゲームトーナメントです。Google Cloud Next'18 in Tokyo 会場内で行われたイベントには、GCP をよく知る参加者が集まり、熱気に溢れた楽しいものとなりました。

特設スタジオには、Cloud Hero の上位入賞者 3 名(以下の方々)が赤いマントを羽織って登場。Cloud Hero の感想、GCP を使いこなすための秘訣、スキルアップのために普段どのようなことをしているのかといった質問にお答えいただきました。

  • クラウドエース株式会社 橘 健介 様
  • 株式会社ブレインパッド 平木 悠太 様
  • 株式会社メルペイ 石村 真吾 様

次回の Cloud Hero は、10 月 23 日(火)に大阪で開催います。我こそはと思う方はぜひご参加ください。参加申し込みなど詳細は Google Cloud Summit '18 in 大阪サイトをご覧ください。

Google Cloud Next’18 in Tokyo を振り返る

番組後半では、Google Cloud ソリューションアーキテクトの中井悦司とカスタマーエンジニアの吉川隼人が登場。今回の新発表の中でも特に注目して欲しい製品やサービスを選んでご紹介します。Google Cloud Next'18 in Tokyo でご紹介したデモやセッションに関わる舞台裏にもちらっと触れています。

Cloud OnAir では、各回 Google Cloud のエンジニアがトピックを設け、Google Cloud の最新情報を解説しています。過去の番組、説明資料、さらには視聴者からの質問と回答はこちらよりご覧いただけます。 最新の情報を得るためにもまずはご登録をお願いします。


Posted by グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 日本代表 阿部 伸一

Google Cloud Next Tokyo、2 日目の基調講演では GCP 各種製品のアップデートに加え、新たに参画したサービスパートナーを紹介しました。

新たなサービスパートナーの参画

今回、日本電気株式会社( NEC ) および NEC ネッツエスアイ株式会社が、Google Cloud Platform のサービスパートナーに新たに参画されました。多数の企業向けソリューションの導入実績とノウハウを持つ 2 社が参画されたことで、GCP の導入サポート等を通じ 、より多くの企業のデジタルトランスフォーメーションをサポートすることが可能になります。

NEC ネッツエスアイ株式会社は、SI 構築パッケージ、クラウドマイグレーションサービス、クラウドネットワークコンサルティングといった GCP 関連ソリューションをすでに提供されており、今後も、さらにクラウドマネージドサービスをはじめとしたサービスの拡充を予定されています。また、顧客対応をはじめとする様々な接客シーンで活用可能な Cloud Speech-to-Text API を使ったソリューションの開発も進んでおり、お客様の幅広い要望にお応えしてまいります。

NEC 執行役員 兼 CMO(チーフマーケティングオフィサー)榎本 亮 様より、以下のコメントをいただいています。「今回のサービスパートナー参画により、 弊社の新規・既存のお客様に対して、Google Cloud のイノベーティブで高い競争力を持つサービスラインナップと、NEC グループの技術力を組み合わせたソリューションの提供が可能となりました。今後、お客様のクラウド化、デジタル化をより一層、強力に支援する力となることを確信しています。」


Cloud Memorystore for Redis の一般提供を開始

また本日、 Cloud Memorystore for Redis の一般提供を開始しました。同製品は Redis のフルマネージド インメモリ データストアサービスで、Google のスケーラブルで、セキュアなインフラ上に構築されています。Redis は最も成長しているオープンソースデータベースのひとつで、インメモリ キャッシングレイヤーを追加することで、レイテンシーを低下させ、全てのワークロードにおいて 1 ミリ秒以下で処理を行います。

Cloud Memorystore は、プロビジョニングスケーリングフェイルオーバーモニタリングといった複雑なタスクを自動的に行うため、ユーザーは IT のオペレーションではなくアプリケーション開発に集中できます。また、ユーザーは オープンソースの Redis のプロトコルをそのまま利用できるため、コードの変更を全くせずに、アプリケーションを Google Cloud Platform (GCP) に移行できます。Cloud Memorystore は、以下のリージョンでご利用いただけます。

  • 東京(新規)
  • シンガポール(新規)
  • オランダ(新規)
  • オレゴン
  • アイオワ
  • サウスカロライナ
  • ベルギー
  • 台湾

Cloud Memorystore 導入事例

ゲーム、小売り、航空、石油、エネルギーなど各種業界で Cloud Memorystore ベータ版をお使いいただいたさまざまな業種のお客様から好評をいただきました。今回は 2 つの事例をご紹介します。

NTTコミュニケーションズ株式会社は Cloud Memorystore で迅速な顧客対応を実現

NTTコミュニケーションズ株式会社は、Cloud Memorystore のアーリーアダプターでした。NTT コミュニケーションズ株式会社は、顧客にクラウドサービスを提供していましたが、以前は従来型の管理用サーバーを使用していました。その後、管理サーバー全体を Cloud Memorystore を基本としたキャッシングレイヤーを備えた Google Kubernetes Engine ベースのアーキテクチャに移行しました。Cloud Memorystore のセッションログを利用して、顧客対応を迅速にできると考ええたためです。

NTTコミュニケーションズ株式会社 クラウドサービス担当マネージャー 植村 優一 様
「私たちの目標は、GCP 上のマネージド Redis の導入で、管理コストの削減をすることです。お客様の要求に迅速に対応するため、セッションを保存することは非常に重要なことなのです。Cloud Memorystore では、Redis の管理に時間を費やす必要がないため、Redis の力を存分に活用できます。」

移行の際、チームはすでに OSS Redis を使用していたため、アプリケーション ロジックを変更することなく、サービスを Cloud Memorystore にリフト & シフトするだけでした。現在、アーキテクチャがどのように構造化されているかは下図をご参照ください。




株式会社オールアバウトは Cloud Memorystore でモダナイゼーションとコンテンツ配信の高速化を実現

株式会社オールアバウト は、マーケティングサポート、教育コース、観光、オンライン マーケットプレイスなど生活者と多様なコンテンツをつなぐコンテンツ プラットフォーム プロバイダです。リアルタイムで生活者に高品質のコンテンツを提供するために、株式会社オールアバウトは、そのプラットフォーム インフラストラクチャのモダナイゼーションのため Google Cloud Platform を選びました。彼らのプラットフォームは、MySQL バックエンド データベースと PHP で書かれています。キャッシングレイヤーでセッションを保存するために Cloud Memorystore をデプロイメントすることにより、彼らはリアルタイムで消費者にさらに豊かなコンテンツを提供できると考えました。
株式会社オールアバウト 寺門 伸悟 様 甘粕 元基 様
「 G Suite、Google アナリティクス 360、Google Cloud Platform など Google の製品を採用しており、これらの技術が私たちにもたらした技術革新に非常に満足しています。 私たちは、インフラを変革するために GCP を選び、当社のプラットフォームに更なるイノベーションをもたらそうと思っています。」



Container Registry の脆弱性スキャン機能のベータ版を提供開始

本日、Google Cloud は Container Registry の脆弱性スキャン機能のベータ版を提供開始します。この新機能により、CI / CD プロセスの初期段階で、既知のセキュリティ脆弱性を自動的に検出し、脆弱性が疑われるイメージのデプロイを未然に防ぐことができます。さらに、フルマネージド CI / CD プラットフォームである Cloud Build でビルドされたコンテナ イメージについては、Container Registry にイメージがプッシュされた段階で、OS パッケージの脆弱性チェックが起動し、自動的にスキャンされます。脆弱性スキャン機能は、一切の手動操作なしで信頼のおけるコンテナ イメージのみを Kubernetes Engine にデプロイするデプロイ タイム セキュリティ コントロール、Binary Authorization と統合されています。

新しくなった Cloud Source Repositories 、ベータ版で提供開始

Cloud Source Repository を改善し、本日よりベータ版の提供開始します。一新したユーザーインターフェイスに、セマンティック検索を加えたコード検索機能をお届けします。Cloud Source Repository は、Google のエンジニアが日々、コード検索を実行しているものと同じ基盤コード検索インフラストラクチャ上で作動します。コード検索機能を Cloud Source Repository に導入したことで、ユーザーの皆様には Google の検索技術の様々な特徴を生かし、ご自身のコードベースを検索いただけます。Cloud Source Repositories は、これまで通り Google Cloud Platform (GCP) フリートライアル および、無料枠にて無料でお試しいただけます。


※この投稿は、米国時間 2018 年 9 月 19 日に、Diane Greene (CEO, Google Cloud) によって投稿されたものの抄訳です。



Google の歴史において、日本は特別な国です。日本は北米以外の地域で初めてオフィスを構えた場所であり、今現在もテクノロジーの変化の方向性を示し、世界中のユーザーに役立てる上で、重要な拠点です。

AI は世界中のビジネスを変えようとしています。Google は、無理なく迅速に、そして有益な形で変化を実現できるよう、あらゆる分野のすべての企業に、このパワフルなテクノロジーをお届けしたいと考えています。本日の Google Cloud Next Tokyo では、日本語でのトレーニングや認定資格、そしてコラボレーションの事例を紹介します。これらはまさに先に述べたようなビジョンを、日本企業の皆様にお届けするためのものです。

日本語での ML トレーニングコンテンツを拡充

Google Cloud では、これまでも開発者を対象に AI を活用するために必要なスキルを学ぶトレーニングを提供していましたが、今回、新たに日本語でオンライントレーニング「Machine Learning with TensorFlow on Google Cloud Platform Specialization」の提供を開始しました。これに加え、認定資格である「Associate Cloud Engineer」も追加しました。質の高いトレーニングを誰でも利用できるようにするという、Google の取り組みをさらに前に進めたもので、機械学習について学ぶだけでなく、実践的なデータを利用した実習も可能です。上記に加え、 Qwiklabs に、新たに日本語の 50 コースを追加しました。

Advanced Solutions Lab 東京に開設

また、Google Cloud では、日本のお客様に AI をもっと活用していただくために、東京に Advanced Solutions Lab (ASL) を開設します。 ASL は、お客様が Google の 機械学習エンジニアと協力して、ビジネス上の重大な課題を解決するための機会を提供します。さらに、Google Cloud の AI エンジニアによる講習の提供も予定しています。これらのトレーニング・講習をご活用いただくことで、機械学習モデルの作成やデプロイ、及び Google Cloud を活用するためのスキルを習得することができます。ASL の開設が、より多くの日本のお客様における、機械学習の活用機会拡大につながることを期待しています。


株式会社ファーストリテイリング による Google の AI  技術と ASL の活用

グローバリゼーションから e コマースまで、小売業は新技術の導入で劇的に変化し続けてきました。株式会社ファーストリテイリングは、グローバルな競争力を維持するために、ビジネスのあらゆる側面で新たなアプローチを模索されていました。その結果として、小売業態の新しいビジョンを実現するために「有明プロジェクト」を始動。東京本社内に間仕切りのないオフィス空間を作ったほか、組織全体での協調を促すべく小規模でフラットなチーム構成に再編されました。有明プロジェクトをさらに推進するために採用したのが Google の機械学習、 ASL と G Suite でした。

有明プロジェクトの重要な目標は、お客様からのフィードバックを、より良い製品とサービスの提供に素早く落とし込むことです。そのためには、同社のサプライチェーン上のあらゆる要素の最適化が必至で、株式会社ファーストリテイリングと Google Cloud は緊密な協力体制を構築し、Google の ASL メンバーもチームの一員として、課題の解決に取組んでいます。たとえば、顧客データの精密な分析に AI を活用し需要予測を行っています。これはつまり「商品を作ればお客様が来る」というアプローチから、「お客様が望むものをより深く理解する」へのシフトが進んでいることを示しています。


有明プロジェクトは、株式会社ファーストリテイリングにおける、ビジネスプロセスの改善を推し進める以上に、もっと大きな動きにもつながっています。顧客ニーズをすべての中心に置くには、速やかな意思決定と迅速な対応が不可欠です。有明プロジェクトでは、その重要な目標に「全員経営(英語では Global One)」を掲げており、この実現とチームでの共同作業をスムーズにするために G Suite に移行します。G Suite の採用が、よりスムーズな情報やアイディアの共有を可能にし、よりお客様に喜んでいただける製品やサービスの開発を支える力になることを期待しています。有明プロジェクトの詳細は株式会社ファーストリテイリングのウェブサイトでご確認ください。

株式会社ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長 柳井正様より以下のコメントを頂いています。「有明プロジェクトおいて、全従業員が自由に情報をやり取りできるようにすることは非常に重要です。なぜならば論理や判断、共感のような人間の特性を、意思決定に使えるようにするからです。私たちは、毎シーズン計画を立て、それに従って動きます。G Suite のようなツールを活用することで、私はこれらの計画を(社員の)誰もが簡単に理解できるように共有していきたいと考えています。Google Cloud とのパートナーシップは、AI を活用した需要予測をはじめ、より幅広い分野に及んでおり、働き方を根本的に変えるドライバーとなっています。」

お客様とのコラボレーション強化を目指して

Google Cloud では、お客様との協力において、エンジニア同士のコラボレーションを重視しています。この強化を目的に、昨年、お客様と直接関わるエンジニアの人員を 3 倍に拡大しました。現在、カスタマー エンジニア、プロフェッショナル サービス、テクニカル アカウント マネージャーなど、営業担当者を凌ぐ数のエンジニアがお客様とともに仕事をしています。また、Cloud では、様々な企業の最高技術責任者の支援を目的とした Office of CTO (OCTO)を置いており、今回、日本でも同サービスの提供を開始します。OCTO では、様々な業界の CTO 経験者が相談役となり、現役の CTO をサポートします。

トレーニング認定資格QwiklabsASL に関する詳細は、それぞれのリンクよりご確認ください。



いよいよ本日より、Google Cloud Next '18 in Tokyo  を開催します。会場においでになれない方は、お手持ちのパソコンやスマートフォンからライブストリーミングをご視聴ください。

ライブストリーミングの視聴はこちら (Day 1, Day 2) から

※ライブストリーミングでご覧いただけるのは、両日午前に予定されている、基調講演のみとなります
※音声は、動画の下にある言語の選択リンクから日本語および英語のいずれかを選択いただけます


いよいよ明日より、Google Cloud Next ’18 in Tokyo を開催します。イベント申し込み・セッション登録はお済みでしょうか? 今年の Next Tokyoは『あなたのビジョンを、クラウドが実現していく。』をテーマに、ビジネス向けセッションを東京プリンスホテルにて、開発者向けセッションをザ・プリンス パークタワー東京にて開催します。ぜひ、下記の重要事項をご確認いただき、当日は時間の余裕を持って会場にお越しください。

開催概要

日 程:2018 年 9 月 19(水) - 20 日 (木)
会 場: 東京プリンスホテルザ・プリンス パークタワー東京
開 場:8:30 AM
基 調 講 演:9:30 - 11:30 AM
ブレイクアウト セッション:12:00 - 7:20 PM
ハンズオンラボ:12:00 - 6:00 PM
Expo @ Next ’18 in Tokyo:9:30 AM - 6:30 PM
Next ’18 in Tokyo Night:9 月 20 日(木)のみ 7:45 - 9:00 PM

受講票

Next ’18 in Tokyo の二次元バーコード付きの受講票は、「Google Cloud Next ’18 in Tokyo 会場のご案内【受講票】」 のタイトルにて、参加登録された皆さまに事務局からメールでお送りしています。当日は、この受講証を、A4 サイズにプリントアウトしてお持ちいただくか、携帯端末などでご提示ください。なお、基調講演の会場は複数に分かれています。受講票に指定された会場での視聴をお願いいたします。

基調講演、ブレイクアウト セッションへの事前登録

基調講演、ブレイクアウト セッション共に、事前にご登録をお願いいたします。 当日は事前登録の方が優先入場となり、基調講演については、登録のない方はお入りいただけない可能性があります。Next ’18 in Tokyo ウェブサイトでサインインした状態で、「セッションページ」からご登録ください。ご登録された内容は、サインインの上、「マイスケジュール」から確認や変更が可能です。

Expo(展示会場)

ザ・プリンス パークタワー東京 地下 2F および 東京プリンスホテル 2F の 2 会場において、最新のクラウド技術を体験できるデモブースや、独自のサービスをご紹介するスポンサーブースを設置します。詳細は、ウェブサイトをご確認ください。

2 会場の移動

東京プリンスホテルとザ・プリンス パークタワー東京の間の移動時間は、 徒歩で 10 分程です。会期中は 2 会場を往復するバスをご用意します。 10 分 〜 15 分程の間隔で運行しており、所要時間は 15 分程です。また、増上寺にて、東京タワーと Next ’18 in Tokyo のロゴを背景に写真撮影を行っていただけるフォトブースを設置しています。ぜひお立ち寄りください。

Expo ブースラリー企画「Keyword Quest」

Next’18 in Tokyo の 2 会場内の 7 つの対象展示ブースをラリーして、クイズの Keyword を回答していくと、プレゼント (Next ’18 Tokyo 限定 サコッシュバッグ)がもらえます。Keyword Quest サイトへは、当日総合受付で配布するプログラムガイドに記載の QR コードからアクセス可能です。また、総合受付や対象ブースに掲示するポスターでもご案内します。プレゼントの引き換え場所は、それぞれの会場の総合受付横になります。

Cloud OnAir 生中継

Google Cloud Next ’18 in Tokyo の会場内に Cloud OnAir 特設スタジオを設け、イベント会場で起こっている様々なことを Live 配信にてお届けします。ぜひ以下 URL からご視聴ください。
視聴 URL : https://goo.gl/X67jsc

INSIDE Games & Apps @ Next ’18 @ 東京プリンスホテル 前庭 ガーデンアイランド

ゲーム業界で活躍するインフラエンジニア、サーバーアプリケーションエンジニア、テクニカルリーダーの皆さま向けのイベントです。今回は、" Next ’18 スペシャル 最新情報をゲーム業界の皆様向けにギュッと凝縮してお届け! " をテーマに、9 月 19(水)の 2:40 PMより開催します。詳細はこちら(お申し込みは終了しております)

オフィスアワー @ 東京プリンスホテル 前庭 ガーデンアイランド 屋外テント

9 月 19(水)の 2 PM - 6:30 PM までの間、Data、ML/AI、G Suite、Infra/Ops、AppDev、Security/IoT のエキスパートであるプロダクトマネージャーやデベロッパーアドボケートが、みなさまの質問や相談にお答えします。ぜひ、ガーデンアイランドまで直接お越しください。

Next ’18 in Tokyo Night

最終日 9 月 20 日(木)の 7:45–9 PMに、ザ・プリンス パークタワー東京 ルーム 1 - 3 にてネットワーキングパーティーを開催します。ドリンク・軽食やバンド演奏などをお楽しみいただきながら、Google 社員や参加者の皆さまとの交流を深めていただければと思います。 事前登録は不要ですので、直接会場にお越しください。

ハッシュタグ

Next ’18 in Tokyo のハッシュタグは #GoogleNext18 です。イベント開催中、Google Cloud の Twitter 上で各会場の模様をリアルタイムでツイートします。また、FacebookCloud BlogGCP Blog 上でも様々な情報を配信する予定です。弊社チャネルの投稿のリツイートやシェアを歓迎します。

イベント公式アプリ

Cloud Next 公式アプリは、Android 端末および iPhone 端末でお使いいただける、Google Cloud Next ’18 in Tokyo 専用の公式アプリです。セッションの予約やスケジュール調整、イベント最新情報の確認もその場ですぐに行えます。ぜひ、お手持ちの端末に事前にダウンロードしてご来場ください。

FAQ

Next ’18 in Tokyo の参加登録やイベント内容、当日の会場についてご不明な点があればこちらをご覧ください。FAQ にて問題が解決しない場合は、Google Cloud Next Tokyo ’18 運営事務局 (googlecloud-next18-tokyo@google.com) までお問い合わせください。

会場で皆さまにお会いできますのを、Google 社員一同、心より楽しみにしております。




近年の著しい医師不足を解消するためには、育児休暇中の医師や海外留学中の医師が、いつでも、どこでも画像診断ができる仕組みを実現することが必要です。クラウドサービスと AI を融合した遠隔画像診断システムで、より安定した、質の高い診断サービスの提供を目指す株式会社エムネス。同社の取り組みについて、話を伺ってきました。



■ 利用している Google Cloud Platform サービス
Google App EngineKubernetes EngineGoogle Compute EngineCloud Pub/SubCloud DatastoreGoogle BigQueryCloud SQLGoogle Cloud StorageTensorFlowFirebase


株式会社エムネス
遠隔画像診断を中核に、医療技術と IT を融合させた医療ネットワークを構築。「医師も患者も、最大限の恩恵を受けられる IT を。」という理念に基づき、遠隔画像診断サービス、遠隔病理診断サービス、医療支援クラウドサービス、スマホ診療システム、検診支援サービス、CT レンタルサービスを事業として展開。さまざまな医療機関との関係を強化することで、医療の均てん化や質の向上を目指しています。
■ 写真左から

  • LOOKREC事業部 システムエンジニア 森藤 敏之 氏
  • LOOKREC事業部 統括部長 田岡 昌記 氏
  • 代表取締役(霞クリニック院長) 北村 直幸 氏
  • 取締役(霞クリニック 事務長) 金島 茂則 氏
  • LOOKREC事業部 システムエンジニア 福岡 秀峰 氏
  • 広報部長  登地 敬 氏

エムネスのサービスの中核となる遠隔画像診断システムの基盤に GCP を採用

「放射線診断専門医として、広島市内で一番大きい病院に勤めていたとき、県北の病院からの紹介で 30 代の患者さんが来院しました。診察すると進行性のすい臓がんだったのですが、持参された約半年前の CT 画像を見ると、まだ小さながんが確認できました。半年前に遠隔画像診断ができていれば……。そう思ったのが、エムネスの起業のきっかけでした。」--こう話すのは、同社の代表取締役で、霞クリニック院長でもある北村 直幸さんです。

2000 年に設立されたエムネスは、11 名の放射線診断専門医が常勤する国内最大規模の遠隔画像診断センターです。遠隔画像診断は、CT や MRI などの装置は保有しているものの、放射線診断専門医がいない、あるいは不足している医療機関向けのサービス。医療機関から送られてきた CT や MRI の医療画像を専門医が的確に診断し、迅速に診断書を返信します。2012 年より病理専門医との協働で、放射線診断に加え、病理診断も可能になっています。

同社の遠隔画像診断は、医療支援クラウドサービス「LOOKREC(ルックレック)」により提供されています。契約した医療機関は、パソコンに、Google Chrome ブラウザを導入するだけで、画像診断の依頼をしたり、検査画像を確認、また診断書を参照することができます。この LOOKREC の基盤となるクラウドサービスとして、Google Cloud Platform(GCP)が採用されています。

北村さんは、「LOOKREC を利用することで、子育て中の医師や海外留学中の医師が、自宅や海外から画像診断をすることができます。また大量データの保管は、どこの施設でも困っていますが、GCP は大容量の画像データを低コストで一元管理できます。」と話します。


GCP のメリットを一言でいえばフルマネージドであるということ

LOOKREC バージョン 1 の提供は 2014 年 7 月より開始。すでに 20 程度の医療機関と契約し、サービスを提供しています。当時すでに安定稼働していたものの、近い将来に向けたデータ量の拡大を見据えてシステムをスケールする実証実験を実施。2016 年に、より一層のパフォーマンス向上によるスムーズな画像診断の実現を目的に、LOOKREC をバージョン 2 に刷新することを決定します。

LOOKREC / AI 診断 システム構成図

改善点について、システムエンジニアの福岡 秀峰さんは、「バージョン 1 では、検査画像を Google Compute Engine で変換し、Google Cloud Storage(GCS)に蓄積していましたが、バージョン 2 では、Kubernetes Engine のコンテナを使いスケールできるよう改善。また以前は、Google App Engine(GAE)のタスクキューを使って画像処理を振り分けていましたが、流量が増えるとスケールに問題があったので、Cloud Pub/Sub に切り替えました。」と話します。


統括部長の田岡 昌記さんは、次のように語ります。「バージョン 2 では、ブラウザ上でいかに画像を高速に表示させ、診断のレスポンスを向上させることができるかが最大のポイント。またレポートや診療記録をいかに容易に作成し、履歴を管理して素早く検索できるかにも取り組みました。」


ブラウザの性能向上について、システムエンジニアの森藤 敏之さんは、「GAE と Java の相性が悪く、ブラウザのレスポンスが悪化していたため、Java を Go 言語に変更。画像のダウンロードなど、1 クリックで数百リクエストが発生することもありますが、スパイクにも柔軟に対応できるようになりました。」と話します。

現在、GCS に蓄積されたデータ量は、25 万検査分の画像 7,250 万枚、ストレージ容量は 50 TB、レポートデータが 7 万 3,000 件分あります。北村さんは、「今後、オンプレミスに蓄積された約 50 TBのデータや契約医療機関からのデータなどもバージョン 2 に移行する予定です。データ量は大幅に増えていますが、コストは変わらないので、GCP のコスト効果は高いと感じています。」と話します。

GCP のメリットを福岡さんは、次のように語ります。「一言でいえば、フルマネージドであることにつきます。GAE をデプロイすれば、サーバー側のメンテナンスは必要なく、サービスの開発に集中できます。また、2 人ともバージョン 1 の開発まで、ウェブアプリ開発の経験がなかったのですが、GCP はインフラ管理も不要で、UI が分かりやすく効率的な開発ができました。」


スマートデバイス対応と AI 活用で大いなる可能性を秘めた GCP

現在、LOOKREC では、「スマートデバイス対応」と「AI の活用」という大きく 2 つの取り組みを推進しています。スマートデバイス対応について北村さんは「これにより、患者さんや医療機関は、いつでも、どこからでも、スマートデバイスを使って医療データを参照することが可能になります。」と話します。

スマートデバイスで検査画像を閲覧する「シンプルビューワ」

そのためには、撮影時に DICOM フォーマットで蓄積された大容量のデータをスマートデバイス向けに最適化して配信する仕組みが必要です。森藤さんは、次のように語ります。「1 検査あたり 300 枚の画像を配信すると 150 MB 程度の容量になります。このデータをいかに安い通信料で、スムーズにスマートデバイスに配信し、自由に拡大、縮小して見ることができるようにするかが重要になります。」


また今回、新たにモバイル プラットフォームとして Firebase を導入し、LOOKREC にチャット機能の搭載を予定しています。レポートに画像診断の所見を記載する際、不明な点があった場合、専門医にチャット機能でメッセージを送り、コンサルティングを受けることができます。

一方、同社の AI の活用は、医療・製薬・農業などの領域における画像解析技術を牽引する、東京大学発のベンチャー企業であるエルピクセル株式会社と共同で開発を進めています。LOOKREC に蓄積された検査画像データを、エルピクセル社が TensorFlow を利用して開発した AI エンジンで解析し、独自に開発したアルゴリズムを利用して得た座標情報をもとに、画像の上に解析結果を表示します。まずは、脳動脈瘤、肺結節、肝臓がんを解析する 3 つのアルゴリズムを開発しています。

AI から戻ってくるのは位置座標だけで、画像上に表示した結果の正誤を学習させなければ精度は向上しないため、CAD 研究用評価 / 教育システム(LCEES)を、GAE ベースで開発しています。最初のアルゴリズムを使ったプロトタイプは、発見の精度が 50 %程度でしたが、LCEES を利用した臨床研究では、脳動脈瘤において 85% ~ 90% の精度を実現しています。

LOOKREC CAD 研究用評価 / 教育システム「LCEES」

北村さんは、「我々が目指しているのは、例えば、タバコをたくさん吸う、家族に肺がんの人がいるなど、画像データ以外の情報を組み合わせることで、がんを発見するための AI の精度を向上させることです。そのためには、多種多様で膨大な情報を一元管理し、高速に検索できる仕組みが不可欠です。今後のスマートデバイス対応や AI の活用において、大いなる可能性を秘めているのは、GCP しかないと思っています」と話しています。


株式会社エムネスの導入事例 PDF はこちらをご覧ください。
GCP のその他の導入事例はこちらをご覧ください。


Google Cloud Next '18 in Tokyo の開催まで、1 週間を切りました。イベントへのお申し込みおよびセッション登録はお済みでしょうか? 2 日間にわたって開催される午後のセッションに関しては、既に定員に達したものもありますが、新たに追加されたセッションも多数ございます。本日は、セッション登録でお悩みの方向けに、おすすめセッションをピックアップしてご紹介します。

Day 1( 9 月 19 日)おすすめセッション

  • D1-2-S10【テーマ:インフラストラクチャと運用、技術者向け】
    Google Cloud Platform ではじめるクラウド入門 〜 インフラストラクチャから、データ活用、機械学習まで 〜
  • D1-4-S09【テーマ:インフラストラクチャと運用、ビジネス向け】
    GCE を利用した Sansan のマイクロサービス移行とそのメリット
  • D1-5-S03【テーマ: アプリケーション開発、技術者向け】
    Kubernetes と Serverless を利用した開発
  • D1-6-S04【テーマ: アプリケーション開発、技術者向け】
    Cloud Firestore でスケーラブルなアプリケーションを開発しよう
  • D1-6-S05【テーマ: データ アナリティクス、技術者向け】
    リクルートにおける全社横断データプラットフォームのGCP移行事例
  • D1-6-S01【テーマ: インフラストラクチャと運用、技術者向け】
    Cloud Spanner パフォーマンス チューニング 〜 アプリケーション、スキーマ、およびクエリ設計の最適化 〜
  • D1-6-S10【テーマ: コラボレーションとプロダクティビティ、技術者向け】
    徹底解説 Google ドライブ 〜 機械学習を使ったスマートなコンテンツコラボレーション 〜

Day 2( 9 月 20 日)おすすめセッション

  • D2-2-S09【テーマ:コラボレーションとプロダクティビティ、ビジネス向け】
    Ocean Network Express 、帝国ホテル 事例紹介 - G Suite でのワークスタイル変革
  • D2-3-S10 【テーマ:インフラストラクチャと運用、ビジネス向け】
    みずほ銀行におけるデータ分析へのクラウド活用
  • D2-5-S10【テーマ: モビリティ & デバイス、技術者向け】
    Google Maps Platform が実現する新たな位置情報サービス体験
  • D2-5-S02【テーマ: データ アナリティクス、ビジネス向け】
    エイベックス2.0 - イノベーション創出を目指し、働き方と事業を共にアップデートするために行った構造改革全容と運用実例
  • D2-6-S10【テーマ: モビリティ & デバイス、技術者向け】
    企業向けモバイルプラットフォーム "Android Enterprise" の現状と今後
  • D2-6-S09【テーマ: コラボレーションとプロダクティビティ、技術者向け】
    AppMaker で社内アプリケーション開発 〜 G Suite 連携アプリの開発方法や活用事例をご紹介
  • D2-6-S05【テーマ: アプリケーション開発、技術者向け】 Cloud Services Platform で始めるアプリケーションの Modernization

今回ご紹介したセッション以外にも、新たに追加されたセッションも複数ございます。ぜひ、Google Cloud Next '18 in Tokyo のスケジュールをくまなくご確認いただき、ご自身に合ったセッションを事前に必ずご登録ください。会場で沢山の皆さまにお会いできますのを、Google 社員一同楽しみにしております。


イベント名: Google Cloud Next '18 in Tokyo
公式ハッシュタグ: #GoogleNext18
イベント申し込み & セッション登録

日  程: 2018 年 9 月 19 日(水)・20 日(木)
開  場: 8:30 (予定)
基調講演: 9:30 〜 11:30 (予定)
セッション: 12:00 〜 19:20
Expo (展示) : 9:30 〜 18:30 まで
会  場:
 ザ・プリンス パークタワー東京 〒105-8563 東京都港区芝公園 4 - 8 - 1
 東京プリンスホテル 〒105-8560 東京都港区芝公園 3 丁目 3 − 1

お問い合わせ先:
Google Cloud Next Tokyo '18 運営事務局
googlecloud-next18-tokyo@google.com


Google Cloud Next '18 in Tokyo の開催まで、いよいよ 1 週間となりました。本日は、イベントをよりお楽しみいただくための公式アプリ、ならびに、Expo ブースラリー企画 「Keyword Quest」についてご紹介します。

Next のすべてを手のひらに -- Cloud Next 公式アプリ


Cloud Next 公式アプリは、Android 端末および iPhone 端末でお使いいただける、Google Cloud Next '18 in Tokyo 専用の公式アプリです。スケジュール機能やマップ機能を搭載した本アプリがあれば、会場で迷うことはありません。セッションの予約やスケジュール調整、イベント最新情報の確認もその場ですぐに行えます。ぜひ、お手持ちの端末に事前にダウンロードしてご来場ください。アプリの詳細およびダウンロードはこちらのサイトをご覧ください。


Expo ブースラリー企画 「Keyword Quest」


なお、今年の Google Cloud Next '18 in Tokyo では、初めての取り組みとして、Expo ブースラリー企画「Keyword Quest」を実施します。 Next’18 Tokyo の 2 会場(東京プリンスホテル、ザ・プリンスパークタワー東京)内の 7 つの対象展示ブースをラリーして、クイズの Keyword を回答していくと、プレゼント (Next’18 Tokyo 限定 サコッシュバッグ)がもらえます。Keyword Quest サイトへは、当日総合受付で配布するプログラムガイドに記載の QR コードからアクセス可能です。また、総合受付や対象ブースに掲示するポスターでもご案内します。プレゼントの引き換え場所は、それぞれの会場の総合受付横になります。

今回ご紹介した公式アプリを使いこなし、Expo ブースラリー企画 「Keyword Quest」にチャレンジいただければ、Next’18 Tokyo を存分にご堪能いただけると考えております。皆さまのご来場、そして企画へのご参加を心よりお待ちしております。


イベント名: Google Cloud Next '18 in Tokyo
公式ハッシュタグ: #GoogleNext18
イベント申し込み & セッション登録

日  程: 2018 年 9 月 19 日(水)・20 日(木)
開  場: 8:30 (予定)
基調講演: 9:30 〜 11:30 (予定)
セッション: 12:00 〜 19:20
Expo (展示) : 9:30 〜 18:30 まで
会  場:
 ザ・プリンス パークタワー東京〒105-8563 東京都港区芝公園 4 - 8 - 1
 東京プリンスホテル〒105-8560 東京都港区芝公園 3 丁目 3 − 1

お問い合わせ先:
 Google Cloud Next Tokyo '18 運営事務局
 googlecloud-next18-tokyo@google.com


Cloud OnAir は、Google Cloud の製品をわかりやすく解説し、最新の情報などをいち早く皆様にお伝えする Online LIVE 番組です。

今回は、「BigQuery の仕組みからベストプラクティスまでのご紹介」と題して、Google BigQuery の仕組みとその使い方をご紹介します。データ分析基盤としての活用が進む BigQuery を深掘りしていきます。

BigQuery とは

サーバーレスでスケーラビリティに優れたエンタープライズ向けデータ ウェアハウスである BigQuery。2006 年に論文発表した Dremel という Google 社内向けのサービスを起源としています。Dremel は社内にある大量のデータリソースを扱う基盤となっており、番組では、その開発の経緯にも触れながら、BigQuery が提供する機能やその特徴を解説します。

BigQuery の仕組み

スケーラブルで巨大な分散データストレージと大規模かつ高可用な並列 SQL エンジンから構成される BiqQuery。その大きな特徴の 1 つがカラム指向ストレージです。カラム指向のストレージでは、各列が個別に圧縮された暗号化ファイルに保存されるため、リレーショナル・データベースのようなインデック、キー、パーティションの仕組みが不要になります。

BiqQuery を構成する上記 2 つの要素は分離しており、お互いが高速なネットワークで接続されています。全体として柔軟性に富み、スケーラブルで高速な処理を実現することができるアーキテクチャとなっています。

番組では、クエリの実行の仕組み、データの概念構造を解説し、BigQuery のユーザインタフェース、コマンドライン、API についても簡単に紹介します。

BigQuery & Data ベストプラクティス

BigQuery を使いこなすためのヒントを紹介します。

1) データの取り込みの手法、制約
BigQuery にデータを取り込むベストプラクティスです。どのようなデータソースから取り込むことが可能なのか、取り込み方の基本的なパターン(Data Loading と Streaming Insert)、さらに大規模データの取り込みの注意点を解説します。データの取り込みを素早く行うためのヒントを学びましょう。

2) マスタデータの更新
マスターデータ更新のベストプラクティスを紹介します。手法としては3つの選択肢があります。  BigQuery のテーブルをdelete して再度ロード、Data Loading を利用して追加する、DML で更新する方法です。

3) 外部データソースの解析
BigQuery 自身のストレージではない場所に格納されたデータをクエリできる機能です。実行速度はネイティブ実行よりも遅くなりますが、Google Cloud Storage、Google ドライブなどを対象ソースとしているので用途も幅広く、便利な機能です。

4) パフォーマンスの最適化
クエリの実行を高速化するヒントを解説します。カラム指向という特長を活かしたクエリを行う、データを非正規化する、キャッシュの利用、中間テーブルを作成するといったことで、最適なパフォーマンスでのデータ分析が可能となります。

Enterprise Data Warehouse としての BigQuery

最後に、Google Cloud Next '18 で発表になった BigQuery の機能拡張についてご紹介します。
  • カラムベースパーティショニング
  • クラスタリング
  • ユーザが管理するキーでの暗号化
  • 列や行レベルでのセキュリティ(デモも交えて)
それぞれの内容は、ぜひ番組をご覧ください。


番組で説明した資料はこちらで公開しています。

Cloud OnAir では、各回 Google Cloud のエンジニアがトピックを設け、Google Cloud の最新情報を解説しています。過去の番組、説明資料、さらには視聴者からの質問と回答はこちらよりご覧いただけます。 最新の情報を得るためにもまずはご登録をお願いします。


Cloud OnAir は、Google Cloud の製品をわかりやすく解説し、最新の情報などをいち早く皆様にお伝えする Online LIVE 番組です。

今回は、「BigQuery の仕組みからベストプラクティスまでのご紹介」と題して、Cloud Bigtable の基本機能からユースケースに合わせた使い方をご紹介し、Bigtable の魅力をお伝えします。

Cloud Bigtable とは

Google Cloud Platform にはいくつかのデータベースソリューションがあり、その 1 つが Cloud Bigtable です。Cloud Bigtable は Google のコアサービスを支える大規模分散 NoSQL データベースサービスであり、スケーラブル、低レンテンシー、高スループット、フルマネージドという特徴があります。その得意とする領域は低レイテンシーが求められる大容量データの読み書きが必要なケースです。例えば、購入履歴や顧客の好みなどのマーケティングデータ、取引履歴や株価といった金融データ、IoT データなどがあります。

Cloud Bigtable のアーキテクチャ

番組では、Cloud Bigtable の本質を探るため、アーキテクチャ、特徴的な機能について解説します。さらに、実際に利用する上で特に重要なスキーマ設計について注意すべき点を学びます。リレーショナルデータベースのスキーマ設計と異なる点が多々ありますので、確認すべきポイントや Cloud Bigtable を上手に活用するヒントを詳しく解説します。

ユースケースとお客様事例

IoT 分野におけるユースケースを紹介します。インテリジェント電力メーターから収集される計測データを蓄積し、閲覧するというものです。実際にどのようなスキーマとするかなどを解説します。さらに、お客様事例として株式会社プレイドの牧野祐己様、竹村尚彦様をお招きし、ウェブサイトやスマートフォンアプリの顧客行動や経験、感情の変化をリアルタイムに解析・可視化する KARTE というサービスについて詳しくお話いただきました。毎秒 22,000 イベント、1 日あたり 10 億イベントという膨大なデータを処理する仕組みがどのようになっているのか、Cloud Bigtable がどのように利用されているか、その細部をご覧いただけます。



番組で説明した資料はこちらで公開しています。


Cloud OnAir では、各回 Google Cloud のエンジニアがトピックを設け、Google Cloud の最新情報を解説しています。過去の番組、説明資料、さらには視聴者からの質問と回答はこちらよりご覧いただけます。 最新の情報を得るためにもまずはご登録をお願いします。




今や、オンライン広告配信の世界では当たり前のものとなっている「リアルタイム ビッディング(RTB)」ですが、2011 年 1 月、これを国内で初めて実現したのが、当時創業したばかりのベンチャー企業、株式会社フリークアウトでした。以降、今日に至るまで、国内アドテク業界を技術的に牽引し続けてきた同社が、2017 年 9 月にリリースした新プロダクト『Red for Publishers』で Google Cloud Platform(GCP)を本格採用。その背景を同社 CTO と担当エンジニアに語っていただきました。


■ 利用している Google Cloud Platform サービス
Kubernetes EngineCloud SQLCloud FunctionsBigQueryGoogle Cloud StorageStackdriverCloud Pub/Sub など

■ 写真左から
ソフトウェア エンジニア 津田 智光氏
執行役員 CTO 西口 次郎氏

株式会社フリークアウト
広告配信事業を中心に国内外に多数のグループ企業を展開する株式会社フリークアウト・ホールディングスの主幹企業。2010 年 10 月の創業以来、モバイル マーケティング プラットフォーム『Red』や、デマンド サイド プラットフォーム(DSP)『FreakOut DSP』など、さまざまな広告プロダクトをもって、日本のアドテクノロジー業界を牽引してきた。従業員数 417 名(連結:2017 年 9 月時点)。


Kubernetes Engine など、Google の先進プロダクトに探究心を刺激された

一歩先を行く発想で、数多くの画期的な広告プロダクトを生み出し続けてきた株式会社フリークアウト。オフィス中央の広々としたスペースにバスケットゴールやドラムセットが設置されているなど、ユニークな社風が印象的なアドテク企業です。


そんな同社が新たに注目したのは、それぞれのジャンルでトップクラスのアクセス数を誇る「プレミアム メディア」でした。現在の広告市場はこうしたプレミアム メディアや大規模 SNS が、自ら広告配信に乗り出す流れが加速しているのですが、そこにフリークアウトが長年培ってきた技術とノウハウを提供することで、より大きな収益を獲得することが可能になると考えたのです。

「オンライン広告は、まだ若い業界ではあるものの、歴史も積み重なっており、一朝一夕で参入できるようなものではなくなっています。プレミアム メディアの資本力を持ってしても、プラットフォームをゼロから構築するのは難しいのです。我々が 2017 年 9 月にリリースした『Red for Publishers』は、そうした問題を解決するアド プラットフォーム開発プロダクト。お客さまのアド プラットフォーム構築のみならず、広告事業に不可欠な販売、オペレーション、コンサルティングまでを一気通貫で支援することで、メディア収益向上を強力にサポートするものです。すでに多くのプレミアム メディアで採用されており、他社から競合プロダクトが出てきた今日でも “ファースト チョイス” と言われています。そして、2018 年 1 月には、このシステムをより幅広いメディアにお使いいただけるようにした『Poets』というプロダクトもリリースしました。」(西口さん)


現在では、多くのプロダクトをクラウド プラットフォーム上に構築しているという同社ですが、『Red for Publishers』(および『Poets』)で GCP を採用したのはなぜなのでしょうか。実は、そのきっかけとなったのは「技術者としての探究心」だったそうです。

「これまで使っていたクラウド プラットフォームに大きな不満があったというわけではないのですが、個人的にとにかく Kubernetes Engine を導入してみたいという気持ちが大きくて……(笑)。GCP がどのような先進性を発揮しているのかを、触って確認してみたかったんです。もちろん、それだけではありません。過去にグループ企業の広告プロダクトのログ基盤に BigQuery を使っており、その便利さを体感済みであったことも GCP を推した理由の 1 つです。BigQuery は柔軟性が高く、自動でスケールすることが大きな魅力。我々くらいの規模のビッグデータでも安定して動作することがわかっていたので、GCP が広告プロダクトのアクセスに耐えられるのかという不安もありませんでした。当時すでに東京リージョンが稼働していたというのも大きかったですね。この業界では東京にサーバーがあることが大前提ですから。」(西口さん)

そして、2017 年 4 月には本格的な開発がスタート。フリークアウトとしては初の GCP 本格導入ではあったものの、開発はスムーズに進み、7 月にはほぼ開発が完了してしまいました。「当時はまだ導入事例の少ないことが不安要素としてありましたが、ドキュメントがしっかりしていたため、特に大きなトラブルや苦労はありませんでしたね。」(西口さん)


新規プロダクトの開発において、GCP は最高の選択肢

現在、『Red for Publishers』は、Kubernetes Engine 上で稼働中。広告を配信するシステム、広告を管理するシステム、そしてバッチジョブを動かすシステムの 3 つのクラスタが構築されています。クラスタを分けたのは、可用性や検証のしやすさを考えたため。



「1 つのものを後で分けるよりは、最初からそういう構成にしておいた方が、壊しやすいですし、運用しやすいですよね。また、こうしたクラスタの監視には Stackdriver が役立っています。GCP は、 Kubernetes の完成度が高く、フルマネージドで提供されているのが良いところなんですが、そこに Stackdriver が統合されていることが運用のしやすさに繋がっています。新たに何かを用意する必要がないので、開発・運用の手間が大幅に削減されたと感じています。」(西口さん)

「その上で、GCP はアップデートが積極的に行われるので、インフラコストをかけずに機能がどんどん拡充され、使いやすくなっていくのが魅力ですね。例えば
Kubernetes の「CronJob」。リリース当時はまだ使えなかったので、ジョブ スケジューラを自前で用意していたのですが、今では、全面的にこちらにリプレイスしています。また、公式ライブラリも洗練されており、1 つの使い方を学べば他に展開しやすい作りになっているのも気に入っているところ。用意されているコンポーネントの完成度が高いので、パイプを繋いでいくような感じでしっかりとしたものができあがっていくのは、Unix 的で使っていて楽しいです。」(津田さん)

『Red for Publishers』の成功を受け、フリークアウトでは、今後、さらに GCP の活用を拡大していくとのこと。

「実は今、GCP を使った新規プロダクトを開発中。『Red for Publishers』同様、GCP をフル活用したものにしようとしています。GCP の良いところは、とにかく使いやすいこと。Google のノウハウが凝縮された高品質なコンポーネントが揃っていますし、それぞれの設定がデフォルトで最適なものになっている。新規にプロダクトを開発するなら最高のプラットフォームだと思いました。」(西口さん)

「当然のことながら、『Red for Publishers』においても、今後、さらに GCP を活用していく予定です。今、特に使いたいのは Cloud Memorystore ですね。Cloud Dataflow や、Cloud Composer も気になるところ。処理をパイプライン化していくことで、プロダクトをもっと効率的に、面白くしていけたらと考えています。いま色々なところで注目度の高い Cloud Machine Learning Engine についてもすでに検証を始めています。」(津田さん)



株式会社フリークアウトの導入事例 PDF はこちらをご覧ください。
GCP のその他の導入事例はこちらをご覧ください。


Google Cloud では、2018 年 10 月 23 日(火) に、クラウドの最先端を体験できる地域特化型イベント Google Cloud Summit ’18 を、大阪で初開催いたします。
Google Cloud Summit は、これまで世界 20 か所以上の国と地域で開催されているグローバルイベントです。イベントでは、基調講演やブレイクアウトセッション、オープンステージ セッションなど、クラウドの最先端技術を余すことなくお伝えする内容をご用意しています。IT の専門家、技術者、そして Google のエキスパートとともに、ビジネスとテクノロジーの未来をともに学び、課題解決とイノベーションに向けたナレッジを共有しませんか。

ブレイクアウト セッション

IT インフラストラクチャの最新動向、アプリケーション開発を加速化するノウハウ、さらにデータ管理とその利用を進化させる事例や、Google が実現する企業の働き方改革まで、Google Cloud Platform (GCP) や G Suite を活用した、クラウドの最先端ナレッジをみなさまに共有します。

Cloud Hero

GCP 製品を使って様々なクラウドベースのタスク完了を競う DevOps ゲームトーナメントを開催します。情熱とクラウドの開発スキルを携えて、ぜひご参加ください。
※ 応募多数の場合は、抽選となり早期に締め切る可能性があります。
※ Google Cloud Summit ‘18 in 大阪 への参加登録が必須です。


ハンズオンラボ

GCP 製品についてお好きなタイミングで学べるセルフトレーニング型プログラムです。仮想マシンの起動を初めて学習される方も、すでに Kubernetes をマスターしている方も、ハンズオンラボを利用して、ご自身のペースで実践的な経験をつむことができます。新たなスキルと、Google Cloud の最新機能を学んでいただけます。


Google Cloud Summit '18 in 大阪に参加し、新しいクラウドの世界を体感してください。皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。








イベント概要

Google Cloud Summit '18 in 大阪
日時:2018 年 10 月 23 日(火)
場所:ホテルニューオータニ大阪
プログラム:
  • 09:00 - 10:00 開場
  • 10:00 - 11:30 基調講演
  • 11:30 - 13:00 休憩
  • 13:00 - 13:45 ブレイクアウトセッション 1
  • 13:45 - 14:00 休憩
  • 14:00 - 14:45 ブレイクアウトセッション 2
  • 14:45 - 15:00 休憩
  • 15:00 - 15:45 ブレイクアウトセッション 3
  • 15:45 - 16:00 休憩
  • 16:00 - 16:45 ブレイクアウトセッション 4
  • 16:45 - 17:00 休憩
  • 17:00 - 17:45 ブレイクアウトセッション 5

ハッシュタグ:#GoogleCloudSummit
参加登録:https://goo.gl/DatqB7