Coldline は、長期アーカイブやディザスタ リカバリ用に設計された、Cloud Storage の新しいストレージ クラスです。ビッグデータやマルチメディア コンテンツのアーカイブ ニーズに最適で、企業は数年分のデータのアーカイブが可能です。Coldline は瞬時に(ミリ秒レベルのレイテンシで)データにアクセスできるため、コールド データの保存やアクセスに対する企業の考え方を変えるでしょう。
アーカイブ データも他のデータ並みにアクセスしやすくするというのが、私たち GCP チームの考えです。Coldline の API と低レイテンシのデータ アクセスは、他のストレージ クラスと一貫しています。つまり、既存システムはアプリケーションに変更を加えることなく Coldline にデータを保存し、アクセスでき、そのデータをエンドユーザーにミリ秒レベルのレイテンシで直接提供できます。
Coldline の利用料金はわずか 0.007 ドル / GB / 月で、シンプルで予測可能なデータ検索には 0.05 ドル / GB がかかります。アクセス頻度が 1 年間あたり 1 回に満たないデータを最も経済的に保存できるストレージ クラスとなっています。
また、Coldline は
Nearline と密接に連携し、Cloud Storage の階層型ストレージにおいてアクセス頻度の低いコールド データ向けの階層を担います。Coldline のほうがよりアクセス頻度の低いデータ向けです。私たちが最近行った
Nearline のレイテンシとスループットの改善により、すべてのストレージ クラスで同等のパフォーマンスが確保されています。
Cloud Storage の Coldline などへのデータ移行を支援するため、私たちは使いやすい
Google Cloud Storage Transfer Service を提供するとともに、Switch and Save プログラムを拡大して Coldline を対象に加えました。このプログラムでは、Coldline に移すデータの量に応じて、最大 100 PB までのデータを数か月間、無料で保存できます。Switch and Save の詳細については、
Google の営業担当者までお問い合わせください。
Google Cloud Storage Multi-Regional および Regional
GCP のお客様は、要件の厳しいさまざまなワークロードに Cloud Storage を利用しています。一部のユースケースでは、
Google Compute Engine インスタンスと同じくらい可用性が高いストレージが必要とされています。さらに高いレベルの可用性や地理的冗長性が必要なユースケースもあります。こうしたニーズに対応できるように、私たちは既存のストレージ クラスもアップデートしました。
Google Cloud Storage Multi-Regional は、可用性が高く、地理的冗長性を備えたストレージ クラスです。このストレージ クラスは、ビジネス コンティニュイティの確保や、地理的に分散したユーザーへのマルチメディア コンテンツの配信に最適です。
あるリージョンで障害が発生した場合でも、Cloud Storage はリクエストを別の使用可能なリージョンに透過的に転送し、アプリケーションがそのまま機能し続けるようにします。
Multi-Regional ストレージの利用料金は 0.026 ドル / GB / 月です。この中には、すべてのレプリカの保存、Google ネットワーク経由のレプリケーション、接続の再転送の料金が含まれます。
Multi-Regional ストレージは現在、米国、EU、アジアで利用できます。マルチリージョンで使われていた既存の Standard ストレージ バケットは、すべて Multi-Regional ストレージ クラスに切り替えられています。
メディアのホスティング、共有、ストリーミング サービスを提供する Vimeo は、Google Cloud Storage Multi-Regional を利用して、高可用性と低レイテンシのデータ アクセスを実現しています。同社は全体的なストレージ コストを最小限に抑えるために Cloud Storage Nearline も使用しています。
Vimeo は最高の視聴体験を提供することを目指しており、Google Cloud Storage とリアルタイム CDN(コンテンツ配信ネットワーク)サービスの Fastly の連携機能を活用しています。Fastly のおかげで Google Cloud Storage からコンテンツをユーザーに瞬時に配信でき、応答時間は 150 ミリ秒未満に抑えられています。
「私たちは Google Cloud Platform の Google Cloud Storage や Compute Engine などを Fastly とともに利用して、人気のあるコンテンツやたまにしかアクセスされないコンテンツなどをすべて保存、配信し、トランスコーディングのピーク ロードも処理しています」
- Naren Venkataraman 氏、Vimeo のシニア エンジニアリング ディレクター
「Fastly のお客様は、低レイテンシで高スループットのストレージに加え、ネットワーク エッジから高速かつ柔軟、そして安全にコンテンツを配信する仕組みを必要としています。Google Cloud Storage と Fastly の Cloud Accelerator の組み合わせにより、Vimeo のようなお客様は、コンテンツの保存と配信を十分に最適化し、コストを管理しながらグローバルなパフォーマンスを向上させることができます」
- Lee Chen 氏、Fastlyの戦略提携責任者
Google Cloud Storage Regional は、単一のリージョン内で冗長性を確保した、可用性が高いストレージ クラスです。リージョン内でストレージとコンピュート リソースを組み合わせ、
Google Compute Engine、
Google Cloud Dataproc、
Google Cloud Machine Learning、
Google BigQuery などで実行されるデータ トランスコーディングやビッグデータ分析といったワークロードにおいて、エンド ツー エンドの低レイテンシと高スループットを実現するのに最適です。
Regional ストレージ クラスの利用料金は 0.02 ドル / GB / 月です。単一リージョンで使われていた既存の Standard ストレージ バケットは、すべて Regional ストレージ クラスに切り替えられています。これは 23 % の値下げに相当し、切り替えられたバケットの料金変更は 11 月 1 日から適用されます。
Regional ストレージ クラスをすでにご利用いただいているお客様の 1 社が Spotify です。同社は 1 億人以上のユーザーに対して音楽のストリーミング提供を行っており、信頼性と耐久性の高い環境でコストを制御しながらスケールするために、Compute Engine とともに Cloud Storage を使用しています。Cloud Storage には 3,000 万曲以上の楽曲が格納されています。
「Spotify は、音楽の保存や提供のために Google Cloud Storage を使用しています。Regional ストレージ クラスを使用すれば、本番ストレージとほぼ同等のオーディオ トランスコーディングが Google Compute Engine で実行できます。さらに Google は、当社のすべての CDN プロバイダーに対して、相互接続やパートナーシップだけでなく、オープンかつ明示的なピアリング設定の素晴らしいネットワーキングを提供しています」
- Jyrki Pulliainen 氏、Spotify のソフトウェア エンジニア
Multi-Regional と Regional の両ストレージ クラスの
API 操作についても、値下げに相当する新料金が 11 月 1 日から適用されます。クラス A 操作は 0.005 ドル / 1,000 操作(50 % の値下げ)、クラス B 操作は 0.004 ドル / 10,000 操作(60 % の値下げ)となります。
Coldline が追加され、Multi-Regional と Regional でストレージ クラスがアップデートされても、GCP のお客様は、すべてのホット データとコールド データで同じ API が使える便利さと、一貫したデータ アクセス パフォーマンスを享受できます。Coldline では、アプリケーションに変更を加えなくてもアーカイブ データを利用でき、そのデータ アクセス時間にも妥協はありません。一方、Multi-Regional はデータの高可用性と地理的冗長性の確保を容易にします。
しかも、私たちはこうしたすべてを、以下に示すように、競争力の高い、わかりやすい料金で提供します。
新しいデータ ライフサイクル管理機能
お客様の多くは、さまざまなワークロードに応じて複数のストレージ クラスを使っています。これらのストレージ クラス全体にわたって単一の API を使用でき、一貫したデータ アクセス パフォーマンスが得られるおかげで、アプリケーションは複数のストレージ クラスをシームレスに利用できます。したがって、データに応じたストレージ階層の管理についても簡単であるべきです。
私たちはこのたび、データ配置の管理を容易にする新しい
データ ライフサイクル管理機能のベータ提供を開始しました。どの Google Cloud Storage バケットも、さまざまなストレージ クラスのデータを保持できるようになり、ライフサイクル ポリシー機能がオブジェクトの存続期間に基づいて、オブジェクトを適切なコールド ストレージ クラスに自動的に移行してくれます。
拡大する Cloud Storage パートナー エコシステム
多くのお客様がすでに Cloud Storage の複数のストレージ クラスを利用しており、私たちのサービスから直接、そして私たちのパートナーを通じて、今回のアップデートの恩恵を受けられるでしょう。
実際、多くのパートナーが新しい Coldline ストレージ クラスをいち早く製品やサービスに統合しています。以下に、新しいストレージ クラスを自社の環境で活用できるようにお客様をお手伝いするパートナーをいくつか紹介します。
- Fastly : Fastly の CDN は、コンテンツ配信の管理機能、リアルタイム パフォーマンス分析機能、頻繁に変わるコンテンツをエッジでキャッシュする機能を企業に提供します。お客様は Google Cloud Storage をコンテンツの保存場所として構成できます。Fastly の Origin Shield が単一の Point-Of-Presence(POP)を指定し、Google ネットワーク全体にわたってキャッシュ ミスを処理します。
- Veritas : これまで GCP をサポートしてきた実績をベースに、Veritas は Cloud Storage Coldline のサポートに力を注いでいます。Veritas Information Map と Veritas NetBackup、そして GCP とのユニークな組み合わせを利用することで、お客様は世界規模で全社的に Google Cloud への移行を進める中でデータの可視性を詳細に管理できます。Veritas と Google のコラボレーションは、企業の情報管理を支援することに両社がともにコミットしていることをよく表しています。
- Cloudian : スマート データ ストレージ プラットフォームである Cloudian HyperStore は、Google Cloud Storage(Coldline を含む)とシームレスに統合されており、TB 規模から数百 PB 規模までのオンプレミス ストレージを提供します。ポリシー ベースのデータ移行機能により、データの種類、存続期間、アクセス頻度などのルールに基づいてデータを Coldline に移せます。
- CloudBerry Lab : CloudBerry Backup は、Coldline を利用したクラウド バックアップ ソリューションです。リアルタイム バックアップやスケジュールされた定期バックアップ、暗号化、ローカル ディスク イメージ、ベア メタル リストアといった機能を提供します。さらに、最大限の効率を実現するブロック レベルのバックアップにも対応しているほか、個々のバックアップおよびリストア プランをリモートで追跡できるアラート機能も提供しています。
- Komprise : データ管理ソフトウェアの Komprise により、企業は既存のオンプレミス ストレージとともに Cloud Storage のすべての階層を透過的に利用して、データのライフサイクルをシームレスに管理し、コストを 70 % 以上削減できます。Komprise の無料トライアルを利用すると、どれだけのデータを Cloud Storage に移行できるかの評価と予想 ROI を 15 分以内に入手できます。
- StorReduce : StorReduce のインライン重複排除ソフトウェアでは、TB~PB 規模のデータを Coldline(または Cloud Storage の他のクラス)に移行し、そのデータを対象に検索などのクラウド サービスを利用できます。
- Cohesity : 企業データのハイパーコンバージド セカンダリ ストレージ システムである Cohesity は、散在した非効率なセカンダリ ストレージを、仮想的に無限の容量を持つストレージ プラットフォームに集約します。Cohesity のポリシー ベース管理機能により、Coldline を任意のデータ保護ワークロードに利用できます。
- Sureline : Sureline のアプリケーション モビリティ ソフトウェアは、仮想、クラウド、物理、またはコンテナ アプリケーションやサーバーを対象に、移行やリカバリの機能を提供します。SUREedge DR により、企業は時々アクセスされる DR イメージのディザスタ リカバリ先として Coldline を利用できます。
パートナー エコシステムは拡大の一途をたどっており、これまで以上に多くのお客様が GCP のメリットを活用できるようになっています。
Cloud Storage と新しいストレージ クラスについてもっと詳しく知りたい方は、
こちらのウェブ ページにアクセスするか、
技術ドキュメントをご覧ください。また、
無料トライアルも用意されています。お問い合わせは
営業担当者までどうぞ。
* この投稿は米国時間 10 月 20 日、Product Manager である Kirill Tropin によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。
- Posted by Kirill Tropin, Product Manager
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