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Google Cloud

リソース ベースの料金体系を Compute Engine に導入

2018年8月7日
Google Cloud Japan Team

クラウドは常に、柔軟性、低コスト、従量制料金を約束しメリットをもたらしてきました。Google Compute Engine を使用すれば、カスタム マシンタイプによってあらゆるサイズや形態の VM インスタンスを作成でき、コスト低減に効果的な確約利用割引や継続利用割引も自動的に適用されます。そしてこのたび、私たちは Compute Engine での従量制料金の考え方をさらに推し進め、リソース ベースの料金体系を導入することにしました。

リソース ベースの料金体系の導入に合わせて、仕組みの面でさまざまな変更を行っています。こうした変更は、カスタム マシンタイプや事前定義されたマシンタイプの使用量の測定方法に加え、継続利用割引の適用方法に関するものです。簡単に言えば、自動的に割引が大きくなり、月間料金がわかりやすくなるように変更を加えており、お客様に喜んでいただけると確信しています。

リソース ベースの料金では使用量をきめ細かく捉えます。どのマシンタイプを使っているかに基づいて使用量を評価するのではなく、リソースを特定の期間にどれだけ消費するかを評価するのです。これは、1 コアは 1 コア、1 GB RAM は 1 GB RAM ということです。事前定義されたマシンタイプをどのような組み合わせで実行しているかは重要ではありません。リソース レベルで使用量を測定し、集計するのです。これはお客様にとってお得でもあります。継続利用割引がゾーン内だけでなく、リージョン単位で計算されるからです。つまり、継続利用割引がより早いタイミングで適用され、より大きな節約が自動的に可能になるのです。

こうした変更をより良く理解し、どれだけ節約できるかがわかるように、これまで継続利用割引がどのように行われてきたか、そして今後はどのように行われるかを見てみましょう。

  • これまでは、4 個の vCPU を搭載する特定のマシンタイプ(n1-standard-4 など)の使用時間が 1 か月の 50 % に達すると、適用される実質的な割引率は 10 % でした。使用時間が 1 か月の 75 % になると実質的な割引率は 20 % となり、使用時間が 1 か月の 100 % であれば実質的な割引率は 30 % になりました。

では、異なるマシンタイプを使用する場合はどうでしょうか。
  • たとえばウェブ ベースのサービスを実行しているとしましょう。月初の 1 週目は、vCPU を 4 個搭載する n1-standard-4 を実行しました。2 週目はユーザーのサービス需要が増加し、キャパシティをスケールアップして、vCPU を 8 個搭載する n1-standard-8 の実行を開始しました。ところが需要が増加の一途をたどり、再びスケールアップが必要になったため、3 週目は vCPU を 16 個搭載した n1-standard-16 の実行を開始しました。サービスの成功に伴い、4 週目にもスケールアップを迫られ、vCPU を 32 個搭載する n1-standard-32 を実行し、月末を迎えました。このシナリオでは、従来は割引をまったく受けられなかったでしょう。どのマシンタイプも、実行時間が 1 か月の 50 % に達していないからです。

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リソース ベースの料金の場合、もはやマシンタイプは考慮せず、その代わりに、お客様がすべてのマシンで使用するすべてのリソースを一括して集計し、割引を適用します。お客様が行うべきことは何もありません。お客様は自動的に料金を節約できます。

もう一度、スケーリングの例を見てみましょう。今度はリソース ベースの料金を適用してみます。

  • 月初の 1 週目は vCPU を 4 個使用し、2~4 週目は vCPU 数を順に、8 個、16 個、32 個に増やしました。そうすると、4 個の vCPU を 1 か月にわたって実行したことになるので、使用時間は 1 か月の 100 % となり、これらの vCPU については 30 % の割引が受けられます。別の 4 個の vCPU は使用時間が 1 か月の 75 % なので、これらの vCPU には 20 % の割引が適用されます。別の 8 個の vCPU は使用時間が 1 か月の 50 % であり、これらには 10 % の割引が適用されます。別の 16 個の vCPU は使用時間が 1 週間(1 か月の 25 %)なので、割引が適用されません。理解が深まるように、この料金計算の仕組みを図示しました。

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リソース ベースの料金はリージョンのレベルで適用されるため、どのマシンタイプを使っているかや、運用しているリージョン内のゾーン数にかかわらず、お客様は継続利用割引の恩恵を受けやすくなります。リソース ベースの料金は数か月後から適用が開始されます。詳細はこちらのページをご覧ください。

*この投稿は米国時間 7 月 25 日、Google Compute Engine の Group Product Manager である Paul Nash によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

- By Paul Nash, Group Product Manager, Google Compute Engine

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