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Google Cloud

進化する Google Cloud マネージド データベース

2018年7月3日
Google Cloud Japan Team

どのようなアプリケーションでもオペレーション データの保存やデータへのアクセスを行わなければならず、通常はそのためにデータベースを使用します。マネージド データベース サービスは、そうしたアプリケーションの迅速なリリースやオペレーションにかかる労力を軽減し、ビジネスにおける成功や独自性の発揮に向けてお客様が力を注げるように支援します。調査会社の Gartner は「クラウド ベースのデプロイ モデルや dbPaaS サービスが、データベースの柔軟な代替デリバリ方式として急成長している 1」と指摘しており、Google Cloud のお客様の場合もこの流れの例外ではありません。

マネージド データベース サービスは、ベースにあるインフラストラクチャを抽象化します。したがって、お客様はサーバーやラック、レプリケーションのことを気にせずにデータベースや API を扱えます。Google Cloud は、お客様の間で人気の高いオープンソースのデータストアや、Google が長年培ってきた独自技術のマネージド データベース サービスを提供する戦略を取っています。

Google は先ごろクラウド データベースのアップデートを発表しました。それは以下のとおりです。

  • Cloud Spanner の commit タイムスタンプ機能を提供
  • Cloud Bigtable のレプリケーション機能をベータ リリース
  • Cloud Memorystore for Redis をベータ リリース
  • Cloud SQL for PostgreSQL を正式リリース

Cloud Spanner の commit タイムスタンプ機能

Cloud Spanner は、リージョンや大陸をまたいだ形で外部(強)整合性をサポートする唯一の分散リレーショナル データベースです。この機能は企業に新たな機会をもたらします。昨年 5 月に正式提供が開始されて以来、OptivaBandai Namco のような多くのお客様が、Cloud Spanner 上にミッションクリティカルなシステムを構築しています。

私たちはこれからもお客様本位を貫き、お客様の要望に基づいて機能を拡充していきます。最近では、ミューテーションの正確な順序の判断や、変更履歴の作成に役立つ commit タイムスタンプ機能を Cloud Spanner に追加しました。

Cloud Bigtable のレプリケーション機能

私たちは最近、Cloud Bigtable のリージョナル レプリケーション機能をベータ リリースしました。この機能は、可用性や読み取りスループット、耐久性を向上させ、ゾーンで障害が発生した場合に復元できるようにします。ボタンをクリックするだけで、1 つの GCP リージョン内のゾーン間で Cloud Bigtable データセットが非同期にレプリケートされ、スケーラブルでフルマネージドのレプリケートされたワイドカラム データベース サービスが提供されます。低レイテンシ、ランダム データ アクセス、スケーラビリティが重要な場合に効果的です。

Cloud Memorystore for Redis ベータ版

これまで多くのお客様からマネージド Redis のサポートを求める声が寄せられてきました。そこで、私たちは今年 5 月から Cloud Memorystore for Redis のベータ版を提供しています。Redis に対応したこのフルマネージド インメモリ データストア サービスは、スケーラブルで、十分なセキュリティを確保し、高い可用性を備えています。Redis プロトコルと互換性があり、コードを変更することなくアプリケーションを移行できます。

Redis は、アプリケーション キャッシュ、ゲームのリーダーボード、増分カウンタといったソリューションの開発に広く使われています。高速なインメモリ キャッシング、強力なデータ構造、レプリケーションやパブリッシュ / サブスクライブのような機能のおかげで、Redis は低レイテンシが求められるユース ケースにうってつけです。

Redis はスタンドアロン インスタンスとしてデプロイできるほか、高可用性を確保するためにレプリケートすることも可能です。Cloud Memorystore ではインスタンスのセットアップと管理に関わる運用上のオーバーヘッドが解消されており、アプリケーションに必要な機能を簡単にデプロイできます。

Cloud SQL for PostgreSQL の正式リリース

Cloud SQL での PostgreSQL のサポートは、データベース分野においてお客様から最も要望が多かった事項です。Cloud SQL for PostgreSQL は先ごろ正式提供が開始されました。ベータ期間中は、高可用性、レプリケーション、高パフォーマンス インスタンス(最大 416 GB の RAM を搭載)、19 の拡張機能のサポートといった強化が施されました。また、HIPAA の適用を受けるお客様のために、このデータベース サービスは Google Cloud Business Associates Agreement(BAA)の対象に加わっています。

高可用性機能を備える Cloud SQL for PostgreSQL は、Google Cloud のサポート対象であるとともに、SLA によって全世界で 99.95 % の可用性が保証されています。データベース技術の格付けを行っている独立系サービスの DB-Engines は、“DBMS of the Year 2017” に PostgreSQL を選定し、その理由として爆発的な普及拡大を挙げています。

マネージド データベース サービスへの移行を容易にするため、Cloud SQL for PostgreSQL では標準のオープンソース PostgreSQL が実行されます。また、Google が PostgreSQL に対して行った改良はすべてコミュニティに還元される予定です。

私たちはこれからもマネージド データベース ポートフォリオに新しいサービスや機能を取り入れていきます。さらなる展開にご期待ください。お客様のデータが増大し、変化するのに合わせて、データベースも進化しなければなりません。エンジンの選択、スコープ、機能、信頼性、使いやすさのいずれにおいてもです。

私たちの目標は、お客様のデータにおいて高いアクセス性、セキュリティ、可用性を確保し、お客様にビジネスに集中していただける最も完全なマネージド データベース サービスのスイートを提供することです。お使いになりたいマネージド データベース サービスがありましたら、ぜひ、どのようなものかお知らせください。

1 資料 : Gartner IT Market Clock for Database Management Systems 2018(著者 : Donald Feinberg、Adam M. Ronthal、Ankush Jain、2018 年 1 月 18 日発表)

* この投稿は米国時間 4 月 25 日、Director of Product Management の Dominic Preuss によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

- By Dominic Preuss, Director of Product Management

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