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Google Cloud

Dialogflow Enterprise Edition で音声とテキストによる新しい会話アプリの構築方法を提供

2017年11月21日
Google Cloud Japan Team

チャットボットから IoT デバイスまで、会話アプリはより豊かで自然なエクスペリエンスをユーザーに提供します。Google は、魅力的でパーソナルなやり取りができるインターフェースの構築を支援するために Dialogflow(旧称 : API.AI)を開発しました。

数十万人の開発者が、顧客サービスや商取引、生産性支援、IoT デバイスなどの会話アプリの構築にDialogflow を利用しています。エンタープライズ機能の追加に対する要望を多数いただいたことから、この度、Dialogflow Enterprise Edition のベータ版をリリースしました。Enterprise Edition は、Dialogflow Standard Edition のすべてのメリットに加えて、エンタープライズレベルのニーズを満たす優れた柔軟性とサポートを提供します。また、音声機能も統合され、より機能に富んだ音声アプリを開発できるようになりました。

Dialogflow の特徴:

  • 機械学習に基づいた会話を実現 : 自然言語処理を利用することで、会話エクスペリエンスの迅速な構築とイテレーションを可能にします。予め発言サンプルを用意することで、どのようなアクションをトリガーし、どのようなデータを抽出すべきかを学習するユニークなモデルを作成し、ユーザーにより的確な応答を提供します。
  • 一度に構築し幅広くデプロイ : 作成した会話アプリは、お客様のウェブサイトやアプリ、あるいは 32 種類のプラットフォームにデプロイできます。その中には Google アシスタントや人気のサービスも含みます。また、Dialogflow は多言語をサポートしますので、世界中のユーザーにリーチできます。
  • 高度なフルフィルメント オプション : フルフィルメントとは、たとえばピザを注文したり、ユーザーの質問に正しい答えを返したりといった、ユーザーが話すあらゆることに対応するアクションを指します。Dialogflow はフルフィルメントのためにウェブフックに接続します。ウェブフックがホストされている場所は、パブリック クラウドとオンプレミスのどちらでもかまいません。Dialogflow の統合コード エディタを使用すれば、そうしたアクションのコーディング、テスト、実装を Dialogflow のコンソール内で直接行えます。
  • 音声認識による音声制御 : 音声コマンドや音声会話に対応できる会話アプリが作成できます。こうした会話アプリの機能は、1 回の API 呼び出しで音声認識と自然言語理解を組み合わせて実行されます。

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Dialogflow Enterprise Edition により可能となる機能:

  • Google Cloud Platform Terms of Service : Dialogflow Enterprise Edition には Google Cloud Platform Terms of ServiceData Processing and Security Terms を含む)が適用されます。Enterprise Edition のユーザーは Google Cloud サポート パッケージの利用条件も満たしており、Enterprise Edition は近いうちに一定レベルの可用性を保証する SLA も提供します。
  • 柔軟性とスケーリング : デフォルトのリソース割り当て量が多いため、ユーザーの要求に応じてアプリを容易にスケールアップまたはダウンできます。
  • 従量料金での無制限の音声サポート : Standard と Enterprise の両エディションはともに、音声コマンドを認識したり、音声会話に対応したりできる会話アプリを作成できますが、それに加えて Dialogflow Enterprise Edition では従量制の料金で音声サポートを無制限に提供します。

ユニクロ、PolicyBazaar.com、ストレイヤー大学などの企業や組織は、すでに Dialogflow を使って会話エクスペリエンスを設計し、デプロイしています。

ユニクロの新しいショッピング体験に活用

ユニクロは、全世界で 約 1,900 店舗を展開する日本の先進的なアパレル小売ブランドです。同社ではモバイル アプリにチャットボットを搭載し、オンライン上だけでなく店舗でも、お客様のさまざまな質問に対応しています。現在、一部の会員向けにサービスを提供しており、ショッピングをより楽しく、シンプルにするこのチャットボットは、ユーザーの 40 % が毎週利用しています。

「私たちのショッピング チャットボットは Dialogflow を使って開発しました。メッセージング インターフェースを通じて、新しいショッピング体験を提供するとともに、お客様とのやり取りを機械学習によって継続的に改善しています。将来的には音声認識への拡張や多言語展開も検討しています。」
― 松山 真哉氏、ユニクロ グローバル デジタル コマース部 ディレクター​

保険商品の買い方を変える PolicyBazaar.com

PolicyBazaar.com は、インドの主要な保険商品向けマーケットプレイスです。消費者の啓蒙に加え、保険商品の比較や購入を容易にすることを目的に 2008 年に設立されました。現在、PolicyBazaar.com の年間訪問者数は 8,000 万人を超え、月間取引件数は 15 万件近くに達しています。

PolicyBazaar.com は、Dialogflow Enterprise Edition を使って会話型アシスタント チャットボットの PBee を作成し、デプロイしました。その目的は、訪問者へのサービス向上とともに、オンラインにおける保険商品の買い方を変えることです。同社は、ロギングおよび訓練モジュールを利用して顧客からの要望が多い事項を追跡し、業務処理の改善に結びつけています。PBee は、デプロイ後の数か月で顧客からの問い合わせの 60 % 以上にチャットで対応するようになり、ユーザーからの依頼をより迅速に処理できるようになりました。

PBee をデプロイして以来、PolicyBazaar.com では、自動車保険に関する同社とのやり取りにチャット インターフェースを使うユーザーが 5 倍に増え、同社の自動車保険の販売額全体に占めるチャット経由での販売額の割合は 40 % に達しています。

「Dialogflow は、テキストでやり取りする会話チャットボットの卓越したプラットフォームです。Dialogflow により、私たちはフロントエンドの制約を受けることなく、機械学習のメリットを最大限に引き出しています。私たちがチャットボットを使って獲得する保険契約は毎月 30 % ずつ増えており、直近では月間 1 万 3,000 件以上、保険料ベースでは同 200 万米ドルに迫りました。」
― Ashish Gupta 氏、Policybazaar.com の CTO 兼 CPO

Dialogflow の Standard Edition と Enterprise Edition の違いについては、こちらのドキュメントをご参照ください。

パブリック ベータの期間中に Dialogflow を活用して構築されるものを楽しみにしています。Dialogflow Enterprise Edition に関する詳細はこちらのプロダクト ページをご覧ください。

編集部注 : このほど、Chatbase から提供される基本的なレポートに自動的にアクセスできるようになりました。これは、ボットを簡単に分析、最適化して精度を高めるためのサービスです。こちらのチュートリアルを見れば、Chatbase の幅広い分析サービスの利用方法がわかります。

* この投稿は米国時間 11 月 16 日、Cloud AI 担当 Product Manager である Dan Aharon によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

- By Dan Aharon, Product Manager for Cloud AI

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